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トレード用PCの満たすべき条件

 FXトレードをするには、PCが必須です。これはプロもアマチュアも関係なく事実です。iPhoneなどのスマートフォンでも発注はできますが、勝つことを目的とするなら、スマートフォンやタブレッドでは力不足です。

 しかし、PCは汎用品であるため、用途にあったスペックをきちんと作る必要があります。

パソコンの構成要素

 トレード用PCの条件をあげる前に、PCを構成する要素について説明します。構成要素を理解しないと、必要なスペックを読み取れません。PCにじゅうぶん詳しい人は、読み飛ばしていただいて結構です。

CPU

 CPUはPCの頭脳ともいうべき部品です。PCは単純にいうと、計算機です。その計算機のなかで演算を担うのがCPUです。
 Windows PCの場合、CPUはIntelとAMDという会社が作っています。技術的にはIntelが優勢で、AMDは価格で対抗している状態です(2012年現在)。

 現在の主流のCPUはマルチコアCPUです。マルチコアとは、ひとつのCPUのなかに複数のCPUが入っていると考えてください。

 CPUの演算性能を表す指標は別にありますが、一般にはクロック周波数が高いほど、高速であるとされています。
  昔からクロック周波数を上げることで、性能を高めてきたのですが、クロック周波数はだいたい4GHzぐらいが上限となっています。クロック周波数をあげてCPUの性能を稼げなくなったため、同じ周波数で動くコアを複数に分散させ高速化をはかったのが、マルチコアCPUです。

 基本的に、クロック周波数が高く、コア数の多いCPUほど高性能であると考えてください。

メモリ

 メモリは一時的なデータを蓄えておくための領域です。CPUが電卓で、各種演算や実際の仕事をこなす頭脳だとすると、メモリはノートや机のような役割をはたします。CPUが演算した結果を記憶しておいたり、必要なデータを記録します。

 しかし、電源を切るとメモリの内容は消えてしまいます。あくまでも、一時記憶領域として利用されるのが、メモリです。

 メモリの容量が増えるほど、一時的に記録データが増えるため、パソコンがスムーズに動くようになります。OSはメモリが不足するとメモリよりもはるかに遅いHDDにデータを移して一時記憶領域を増やそうとします。

 現在のメモリはDDRという規格が使われており、2012年現在はDDR3が主流です。DDR3の中にも複数の種類があります。たとえばDDR3-1600とDDR3-1333の違いは、動作周波数の違いです。動作周波数が高いほうが、メモリの転送速度が上がります。

 現在のメモリは、デュアルチャンネルで使うのが一般的であり、メモリは同じ容量のものを2枚一組で利用します。デュアルチャンネルにすると、メモリの転送速度が上がります(正確には帯域幅)。

ハードディスクドライブ (HDD)

 HDDはデータを貯めておくための領域です。メモリとの違いは不揮発性であり、パソコンの電源を落としてもデータがHDD上に残るという点です。おそらくPCのパーツの中でも、最も身近な存在がHDDだと思います。

 HDDの中にはプラッターと呼ばれる金属の円盤があり、ここに磁気でデータを記録します(だから、強い磁石を近づけるとデータが飛びます)。

 HDDの容量は年々上がっており、だいたい1万円程度で買える容量がその時の主流の容量と言われています。
  HDDを接続する規格としてパラレルATAとシリアルATAがあります。現在購入できるHDDはシリアルATA(SATA)となっています。

 なお、HDDと同じ役割を持ったSSDというドライブもあります。SSDはプラッターではなく、フラッシュメモリと呼ばれる不揮発性の半導体素子を利用しているため、HDDよりも高速にデータ転送が出来るのが特徴ですが、金属の円盤ではなく、メモリなので容量あたりの単価はSSDのほうがはるかに高価です。

光学ドライブ

 CD-ROM、DVD-ROM、BD-ROMなどCDやDVD、BDといった光学メディアを扱うためのドライブです。総称して「光学ドライブ」といいます。
 購入したソフトウェアのインストールや、データのバックアップ(DVD-Rなど)に利用されます。

ビデオカード

 ビデオカードは画面に出力する絵を作るための部品です。ビデオカードがないと、パソコンからは何も出力されません。ATI(AMDが買収)とNVideaというメーカーが2大メーカーです。ビデオカードは年々性能がアップしていますが、基本的にゲーム用途に特化しています(3D描画性能)。最新のビデオカードだからといっても、チャートやウィンドウの描画速度がダイレクトに上がるというわけではありません。

 ビデオカードはPCI Expressというバスに差して利用しますが、PCI Expressはx1、x4、X16の3種類が用意されています。ビデオカード用途には、PCI Express x16が利用されます。x16は、PCI Expressのデータ転送領域を16本束ねて高速化したものです。

 なお、ビデオカードを高速化する技術として、2枚のビデオカードをさして連携させるCrossFire(SLI接続)というのがあります。主にゲーミング用途なので、トレードとはあまり関係がありません。

 ビデオカードの出力の規格は複数あります。

規格名 説明
DVI デジタルディスプレイ用の規格。増えてきた液晶ディスプレイに対応するべく作られた規格で、一般に出回っているのはDVI-I(デジタル+アナログ)と、DVI-D(デジタル)。
解像度によりデュアルリンクとシングルリンクを使い分け、最大解像度はWQUXGA(3840x2400)。
RGB アナログRGBコンポーネント映像を出力する規格。液晶ディスプレイではなく、CRT向けの規格。現在ではあまり使われていない。
HDMI PC用ではなくデジタル家電向けの規格。DVI規格をベースにAV関連を強化し、音声信号も送れる。リビングのTVなどにつなぐのでない限り、あまりPC用途で選択されることはない。
DisplayPort DVIの後継規格。デジタルディスプレイ用途であり、複数のモニタをディジーチェーン接続で簡単にマルチモニタ環境を構築することが出来る。ただし、新しい規格であるため、普及価格帯のディスプレイにはついていないことが多い。

マザーボード

 マザーボードは、PCの各種パーツを統括する役割を果たします。大きな一枚の基盤に、PCを構成するすべての部品を実装、接続して、部品を1台のパソコンとして動作させる役割があります。また、USBやキーボード、マウスといった周辺機器を接続して、入出力を管理する役割もあります。

  CPUごとにソケットの規格とチップセットの規格も異なります。CPUを決めた段階で、使用出来るマザーボードが絞りこまれます。

電源ユニット

 CPUが頭脳なら、電源ユニットは心臓に当たります。家庭用コンセントから電源を取り、PC内部に隈なく電源を供給する役割を担っています。電源容量により、供給可能な電力が異なるため、CPUやビデオカードなどの構成に合わせて最適な容量を選ぶ必要があります。

 家庭用コンセントのAC 100/110Vは、内部でDC 5V、12Vに変換されます(マザーボード上で、さらに低い電圧に変換されています)。最近のCPU、ビデオカードはDC 12Vを必要としており、パソコンの構成によっては、全体の電源容量は足りているが、12Vラインが不足して、パソコンが不安定になることもあります。

各種ファン

 各種パーツの冷却に使われます。ケース全体の排熱をするのがケースファンで、主流は12cmファンです。
 CPUの冷却をするのが、CPUファンです。効率良く熱をにがすために、大型のヒートシンクがついています。CPUの上に被せる形で使用し、形状によりサイドフローとトップフローがあります。主流はサイドフローです。

トレード用PCが重視すべきポイント

 トレード用PCの用途を考えると、重要なポイントは4つあります。

(1) マルチモニタ環境への対応

 トレード用PCは、重たいゲームをするわけではないし、AV用PC(ホームシアタPC)のように画像の綺麗さ、音の良さを競うものではありません。
 複数のチャートの一覧性、可読性を高めるためのマルチモニタ環境が重視されます。

 マルチモニタを実現するために必要なのは、ビデオカードの性能です。とはいえ、ビデオカードはゲーミング用途の性能向上に重点が置かれているため、トレード用途で求める性能とは異なります。

メモリ帯域幅

 複数のディスプレイの出力に必要なのは、メモリ帯域幅です。256ビット以上あれば問題ありません。

出力I/F

  DVIやRGBのような場所をとるI/Fはあまり多くの数を実装できません。また、一見出力端子が複数ついているようであっても、同時に出力できる端子は決まっています。何画面出力可能かをチェックする必要があります。

画面解像度

 マルチモニタ出力をした際に、1枚のモニタに出力できる最大解像度はきちんとチェックしておく必要があります。選定するディスプレイの解像度、インチ数に影響します。

(2) マルチコアCPU

 MT4はシングルスレッドなので、マルチコアCPUの恩恵は受けられませんが、チャートソフトと発注ソフト、各種ニュースサイトのチェックなどをするために複数のソフトをストレスなく扱える必要があります。

 選定するCPUの基準として、FXをする場合は浮動小数点演算性能が高いものを選びましょう。浮動小数点演算は、実数をあつかう演算であり、何かと実数の計算の多いトレードの世界では、それなりに演算性能がある必要があります。CPU使用率が100%になるようなことは少ないので、ピークの性能はあまりいりませんが。

(3) 静音性

 トレードをしているときは、ゲームやエンコードと違い、CPUやビデオカードの性能をフルに引き出す必要はありません。チャートの構成にもよりますが、Core i7シリーズを使った場合のCPU使用率はせいぜい20%位だと思われます。
 だから、高速ファンをブンブン回す必要はなく、耳障りにならないぐらいの静音性が必要です。トレードに集中できないぐらいの騒音を立てるPCでは、心穏やかにポジションの管理ができません。

(4) 安定性

 CPUやビデオカードのパフォーマンスを限界まで引き出す必要はなく、むしろトラブルなく動作してくれることのほうが重要です。だから、オーバークロックは不要です。ピーク性能はいらないので、むしろダウンクロックをしてもいいぐらいです。
 用途を絞込むため、変な拡張機器はつけないほうがいいです。iTunesなども入れないほうがいいくらいです。USBに余計な機械をつなぐのもやめましょう。

まとめ

 トレード用PCは画面出力に特化したPCといってもいいです。マルチモニタがその性格付けを後押ししています。
 トレードPCのスペックは、まず何画面出力したいかを決めてから、その他の構成を決めなければなりません。

為替和尚プロフィール

FXトレーダー。 株から相場の世界に足を踏み入れ、日経225先物を経て為替取引をはじめる。 トレード歴は10年以上。
トレードの手法はスキャルピング。自分自身もトレーダーとして身を立てる一方、FXの技術を人に教えてきた。

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