マルチモニタ環境構築

 一般用途のパソコンと、トレード用パソコンを隔てる最大の要因はマルチモニタへの対応です。トレーダーは、チャート上からさまざまな情報を読み取らなければならない上、オープンしているポジションの管理や発注画面も必要になります。
 その他にもニュースサイトの情報をチェックしたりと、同時に見ておくべき情報が多いため、必然的にマルチモニタ環境になります。

マルチモニタ

なぜマルチモニタが必要か?

 トレード用PCにマルチモニタが必要な理由は、一度に処理すべき情報量が多いからのひとことにつきます。もちろん、仮想ウィンドウソフトを使ったり、ウィンドウを切り替えれば、マルチモニタを使わなくても多くの情報が処理できますが、いちいち画面を切り替える手間と、見るべき情報の位置が固定されている利点を考えると、物理的に多くの情報を処理できるマルチモニタが圧倒的優位です。

(1)ウィンドウ切り替えのロス

 ウィンドウを切り替えればマルチモニタと同様の情報量を処理することも可能です。ニュースなどの情報を得るためのウィンドウならまだしも、チャート情報はいちいち切り替えていたらトレードになりません。
 特に瞬間的な判断が必要なスキャルピングの場合、1秒の出遅れが金銭的なロスにつながる可能性もあります。

(2)情報の位置を固定する利点

 情報の位置は固定されていることが望ましいです。トレードをするときに、必要な情報が表示されているウィンドウを探していては、ウィンドウ切り替えのロスと同じことが発生します。
 また、特定のモニタに表示されている情報が固定されている場合、毎日トレードするうちに、チェックするポイントや順番が習慣化されてきます。必然的に読み間違えなどの単純ミスが減ります。

(3)トレードをするには、ひとつの時間軸だけでは駄目

 トレードするには最低でも同じ通貨の異なる時間軸のチャートが2枚は必要です。ひとつはエントリーのタイミングを取るためのチャートで、もうひとつは流れを見るためのチャートです。和尚は理想はひとつの通貨ペアに付き、3枚チャートがあるとよいと言います。
 どのような構成にするかはひとそれぞれですが、ひとつの時間軸だけでトレードするのは無謀です。

どんな情報を表示すべきか?

 闇雲にモニタの枚数をそろえても意味はありません。そのモニタ、ウィンドウにどんな情報を表示させるかをきちんと考えておく必要があります。
 ここでは和尚の環境を例に構成を説明します。

系統 説明
チャート テクニカル分析をする場合、チャートは必需品です。MetaTrader4の画面を広げて、子ウィンドウのチャートを何枚も並べます。チャートは、エントリータイミングをとるためのもの、流れを見るためのものが必要です。
指標・ニュース 経済指標は必ずチェックしておく必要があります。そのため、モニタの1枚は必ずウェブブラウザを開いて、経済指標やニュースなどのテクニカル以外の情報を見られるようにしておきます。
ポジション管理 オープンオーダー(約定済み注文)、ペンディングオーダー(指値、逆指値)の状況、証拠金維持率、収支などを閲覧できる画面が必要です。たいていは、使用している業者の発注ソフトの画面を出す形になります。
MT4から発注している場合は、ターミナル画面を表示させることになります。もちろん、ウィンドウの切り替えでも見られる情報ですが、利食いのタイミングなどを図る意味でも、常時表示しておきたい情報です。
発注画面 各種注文を出すための画面です。これも使用している業者によって異なりますが、通常は取引業者の発注画面を表示させる形になります。

 なお、昔の和尚もそうでしたが、チャート情報とオーダー注文を出すパソコンを分ける場合もあります。マルチモニタには目一杯チャート情報を表示したい場合、発注およびポジション管理用に別のパソコンを利用します。発注画面はチャート情報ほど統一感を出す必要がないというのも理由のひとつです。

 この辺はこの好みと、表示する情報量によります。なお、17インチぐらいのモニタにひとつのチャートを表示する構成の場合、6画面あればトレードに集中できる環境が構築できます

マルチモニタ環境構築のポイント

マルチモニタにするためのPC構成

 マルチモニタ環境を構築する場合、デスクトップパソコンを選択する必要があります。ノートPCでもUSBにつなぐアダプタを用意すれば、2画面までは作れますが、もともとの用途が異なるため、3画面以上のマルチモニタ環境を構築したい場合は、デスクトップPCを用意する必要があります。

 デスクトップPCを用意したら、ビデオカードを用意し、複数画面出力できるようにしなければなりません。この時、マルチモニタを構築するビデオカードの構成は複数あります。

(1)2画面出力可能なビデオカードを複数用意する

 安価に構築するにはいい方法ですが、パフォーマンスが落ちる上、選定するビデオカードによっては結局高く付くことがあります。
 たいていのビデオカードは複数の映像出力がついています。RGB+DVIとか、DVI×2、DVI+HDMIという構成です。HDMIはAV用なので出力2ポートのビデオカードなら、DVIが2端子ついているものを選択します。

 基本的にビデオカードはPC用に売られているものなら、なんでもいいですが、ひとつだけ注意点として、「ビデオメモリのバス幅が256ビット」のものを選択してください。1枚のビデオカードで2画面出力する場合、メモリのバス幅が128ビットではパフォーマンスが格段に落ちますので、表示が遅く感じられます。

(2)Eyeinfinity対応ビデオカードを用意する

 ATI製のビデオカードの中には、Eyeinfinityに対応しているものがあります。Eyeinfinityは1枚のビデオカードで複数の画面を表示するための技術です。Eyeinfinity対応のビデオカードには、6画面出力モデル(DVIx2+DisplayPortx4)と、4画面出力モデル(DVIx2+DisplayPortx2)があります。
 どちらのモデルにしても、ビデオカードの値段は複数枚揃えるより若干安くなります。

 ただ、3画面以上の出力をする場合は、Display Portを利用する必要があり、Display PortをDVIなどなじみの端子に変換する場合、高価なアクティブ変換ケーブルが必要になります。

(3)プロ用他画面出力用ビデオカードを用意する

 一般のゲーミング用途とは分けられているビデオカードです。グラフィックデザイナーやCADをつかう設計者向けの製品で、高品質なマルチモニタ環境を構築できます。しかし、プロ用途のビデオカードなので、ビデオカード1枚が非常に高価です。
 ATIならFireProシリーズ、nVIDIAならQuadro NVSシリーズがあります。

パソコンの電源

 ゲーミング用のビデオカードをマルチモニタとして使用する場合は、PCの電源容量に気をつける必要があります。Eyeinfinity対応のゲーミングビデオカードは、消費電力の大きいビデオカードを2枚あわせたものがありますので、その場合、電源容量は余裕を見て最低でも1000Wは用意したほうがいいでしょう。

Display Port

 一度に出力できる枚数が多いビデオカードは、DVIやRGBではなく、Display Portが採用されています。Display Portを直接させるディスプレイでない場合は、Dispay Port-DVI変換コネクタが必要になります。変換コネクタには、パッシブとアクティブがあります。ビデオカードにもよりますが、アクティブ方式でないとまともに動きません

ディスプレイの選択

 マルチモニタにする場合、当たり前ですが必要な枚数分の液晶ディスプレイを用意する必要があります。ディスプレイの選択にはいろいろと好みやこだわりがありますが、現在取りうる選択肢は2通りです。

(1) 大画面ワイドディスプレイ

 ディスプレイの主流は、ワイドタイプ(16:9)です。24インチ以上のサイズでは、4:3のディスプレイを探すのが難しいくらいです。
 17インチを2枚用意するより、24インチを1枚にして枚数を減らすという考え方もあります。ただ、このやり方で注意しなければならないのは、ディスプレイの縁(ベゼル)の幅です。ベゼルが大きいと切れ目が目立ち、トレードでは使いづらくなります。

(2)17〜19インチディスプレイを1画面とする

 スタンダードな構築方法です。17〜19インチ(解像度1024×768か1280×1024)のディスプレイを均等に並べるやり方です。この方法のいいところは、1枚のディスプレイの解像度が手頃なため、1画面に1チャートという形式が取りやすいところです。
 和尚はこちらのやり方を推奨しています。

モニタアームの選択

 マルチモニタ環境を構築する上で、かかせないのがモニタアームです。モニタアームは、多くく分けると「アーム型」と「レール型」に分けられます。
 もっとも一般に出回っているのがアーム型の2画面と4画面でしょう。

  モニタアームはひとつのアームで支えられる重量が決まってますので、大型ディスプレイを用意する場合には、耐荷重をきちんとチェックする必要があります。20インチ以下のディスプレイをつかうのであれば、ほとんどのモニタアームでは問題は発生しません。

(1)2-6画面アーム型

 この分野で安価な製品を提供してるのは、サンコーです。サンコーの通販のページを覗くと用途別にさまざまなモニタアームが並んでます。
 このタイプの選択基準は2つです。

関節の数

 モニタアームの稼働できる関節です。関節の数が多いほど、細かい調整ができるようになりますが、その分、1台毎のモニタの位置はずれやすくなります。

固定方式

 モニタアームを固定する方法です。壁面取り付けを除くと、クランプ式とスタンド式があります。

 「クランプ式」は、万力のような仕組みで、机に金具を締め付けて固定するタイプです。机の1点に力が集中しやすいため、十分な厚みがないと机が砕けます。取り付け部分の負荷を軽減するために、金属の補強プレートを挟む場合もあります。

 「スタンド式」は、固定用の足がついているのでそのまま机に置くだけです。足の大きさは耐荷重によって異なります。

(2)レール型

 支柱や留め具、レールなどを購入し、自分で部品構成をカスタマイズできるタイプです。有名な商品としてサンワサプライの「CR-HGシリーズ」があります。このタイプは部品を選べば、かなり自由にレイアウトできるのが特徴です。
 しかし、アーム型のように1台あたりのモニタの微妙な位置調整はあまり得意ではありません。

 また、パーツを個別で購入するため、かなり高く付きます。

まとめ

 マルチモニタ環境の構築は、ほとんどビデオカードの選定、モニタアームの選定に絞られます。ビデオカードの選択は、その時時によって商品が異なるため、何インチのディスプレイに何画面出力するかを決定し、その後、どのようにモニタを固定するかを検討するのがよいでしょう。

 一番重要なのは、どのような情報を表示させるかです。それにより必要な解像度も必要なディスプレイの枚数も変わってきます。

為替和尚プロフィール

FXトレーダー。 株から相場の世界に足を踏み入れ、日経225先物を経て為替取引をはじめる。 トレード歴は10年以上。
トレードの手法はスキャルピング。自分自身もトレーダーとして身を立てる一方、FXの技術を人に教えてきた。

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